バケモノの子 感想・考察 part1

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バケモノの子


全体的な感想

子供も楽しめる「サマーウォーズ」を代表に、
細田守映画は老若男女に愛される映画です。

「先がどうなるんだろう?」
という手に汗握るストーリー性
親子愛、子供の成長、誰しもが抱える心の闇についてなど、
深く読みこめば読み込むほど、様々な考察ができる
奥深いメッセージ性のある映画に仕上がっている印象です。

主題歌のMr.childrenの「Starting Over」。
映画との相性は抜群で、観客動員数に大きく影響したことでしょう。
商業的にも成功した素晴らしい映画です。

私の中で大好きな映画の一つになったバケモノの子。
事前情報等は一切入れず、私が思ったことを書き記そうと思います。
※公式の見解とは異なる点が多々含まれている可能性があります。

印象に残ったシーンと感想・考察

熊鉄VS猪王山

九太叫ぶ

人間の子供(九太)を弟子にすると決めた熊鉄。
お前に保護者は務まらんと、それを止める猪王山。
意見の食い違いから、広場で殴り合いが勃発します。

初めは猪王山のペースでしたが、熊鉄の方が力は有利か。
両者押し合いになると、熊鉄が猪王山を圧倒し始めます。
負けそうになった猪王山を応援しようと、
周りの人々が猪王山コールし始めたとき、九太は気づきます。

「誰も……、誰もあいつを応援していない。」
「あいつ……、一人ぼっちなんだ。」

九太は大声で叫びます。

「負けるな!」


九太と熊鉄が初めて心が通じ合ったシーンですね。
熊鉄自身も「まさか自分が応援されるとは」と思ったことでしょう。

九太(蓮)は親戚から引き取られそうになったところを
逃げてきた矢先でした。

渋谷の街を歩き回るも、
自分と同い齢の子たちは、みんな親の手を引かれています。

帰る場所も、頼れる人もいない。

身寄りがいない一人ぼっちの九太には、
周りから変わり者扱いされている熊鉄の気持ちが痛いほどわかったのでしょう。

九太は自分自身を熊鉄に投影させて、
一人ぼっちの自分と熊鉄に、

「負けるな!」

と叫んだのではないでしょうか。

九太と熊鉄の心が通い始める良いシーンですね!

九太が初めて卵かけご飯を食べるシーン

卵かけご飯

九太が熊鉄の家に来た初日の朝、熊鉄が卵かけご飯を九太に勧めるのですが、
「誰がお前なんかの弟子になるか」
と言いながら、外へ駆け出してしまいます。

その後、上記の広場での殴り合いがあり、
ボロボロになった熊鉄のあとを、九太はついていきます。

そして、今朝、熊鉄の家にほっぽりだした卵かけご飯に口を付けるのです。

「これ、まだ賞味期限あるよな……。」
「うぇー……、うめぇ……。」

と、無理をしながら口にするのです。


「同じ釜の飯を食う」
生活を共にしたり、同じ職場で働いたりして、
苦楽を分かち合った親しい間柄に言う言葉だそうです。

スタジオジブリ映画では、こういった描写が好んでされています。
相手を認めたときに使う、アニメ映画界では一つの典型的な描写なのかもしれませんね。

朝は、

「生の卵なんか……、生臭くて食えるか!」

と言っていた蓮が無理して生卵を食べる。
熊鉄との距離を一歩縮めようとしたのですね。

でも、産み立ての卵かけご飯は美味しそうなのに、
なぜここまで嫌がるのでしょうか……笑

少々話が逸れますが、蓮の好物はハム入りオムレツだったことが描写されています。

これがわかるシーンは2つあります。

1つは、卵かけご飯が出される前夜

蓮の妄想のお母さんが現れて、

ハム入りオムレツ

「蓮。蓮の好きなハム入りオムレツ作ったよ。冷めないうちに食べよ?」

もう決して戻らない日常に想いを馳せ、その後蓮は涙します……。

そして、もう1つは、

ハム入りオムレツ2

「蓮。今日の晩飯。ハム入りオムレツ。作って一緒に食おう。」

蓮のお父さんが最初に蓮に作ろうとした料理です。
蓮のお父さんは、蓮が行方不明になり、警察が捜索をあきらめても、
自分ひとりだけで蓮を探していたようです。

話を戻します。
以上のことから、蓮が育った家庭では、
卵は調理されて食卓に並ぶものだったと推測されます。

そのような家庭環境で育った蓮が、
生の卵を食べるということは、大きな意味があったに違いありません。


次は蓮と熊鉄、多々良と百秋坊に関する感想・考察を行います!
part2も見てくださいね♪
バケモノの子 感想・考察 part2